戦国の陣形

2018年6月22日 読書
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210837

著者は、戦国史研究家の乃至政彦氏。

日本での陣形の歴史は、大和政権時代に唐から知識を輸入したことに始まるという。
が、大陸のような開けた平地での大軍同士の会戦が成立しなかった日本では、少人数によるゲリラ戦が主体で、
集まる=魚鱗の陣 広がる=鶴翼の陣
という程度の概念しか残らないほどに陣形に関する知見は蓄積されなかったそうだ。

一方で、村上義清が始めたという鉄砲、弓、槍、騎馬隊、旗本の5兵種を揃える五段構えは、村上氏を保護した上杉家経由で全国に広まっていった、とのこと。
騎兵を左右に配して、ダメ押しの側面攻撃に使う点など近現代に通じるところがあるけど、本書の中で実用的な軍隊の運用について述べているのはそれぐらい。。

ということで、従来の史料において陣形について述べている箇所についての反証にほとんどのページを割いており、
陣形についてのロマンと知識の裏付けを求めて読み始めた自分にとっては、知識欲は満足されたものの、コレジャナイ内容だった。

友人のHさんは、甲賀の忍者屋敷に実際に行った際に、それまでの忍者のイメージとギャップがありすぎてがっかりしたようだが、歴史フィクションやらファンタジーやらで妄想が膨らんだ状態で本書を読んだら、夢の無い話の数々にゲンナリしてしまうこと必至だ。

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