http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166610631

著者は、ルーマニア生まれのユダヤ人で、欧州で学び、米国の戦略シンクタンクに所属する、戦略論を専門とする歴史学者。
本書は、著者が、日本人の訳者に語った内容を文書化したもの。

本書では、中国の対外政策を、1.0-4.0と定義している。
胡錦涛以前の国際ルールを守る中国が1.0、
胡錦涛政権後半の、強気な侵略主義的な政策が2.0、
反撃してきた国とは争わない、選択的な侵略主義が3.0で、ここが本書が書かれた時点。
著者が提唱する4.0は、2.0以降の侵略主義を放棄して国際協調路線に戻る、という、現在の中国は選択できないであろうと著者が推測するポリシー。

大国は小国に勝てない、とか、国家戦略も感情に左右される、とか、著者独特の戦略論を織り込んで中国の対外政策を語る。
いわく、外国を理解しようとしない中国の対外政策は稚拙で、国際協調路線に回帰しないかぎりは中国自身が痛手をこうむるだろうと分析している。

米国陣営にとっては耳ざわりの良い内容で鵜呑みにはできないけど、日本が取るべき戦略については首肯できる。
日本政府が、本書で提案する内容に近い対応を取っていることを願う。

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