マーティン・スコセッシ監督作品。
江戸幕府による鎖国が始まった時代、消息を消した師匠を追ってマカオから密入国した神父2人の物語。

危険を冒して侵攻を守る隠れキリシタンの強さ、その一方でその不毛さに信仰が揺らぐ神父の葛藤を描いている。
窪塚洋介が、「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムのような役回り。

自分は無宗教。宗教とは、どうしようもなく貧しく苦しい状況での心の支えになるものだと理解している。
豊かな時代の豊かな国に生まれて、信仰に無縁でいられたことは幸運だったと思っている。

本作が題材とする鎖国の時代、カトリック布教を進めるポルトガル、スペインは、それを利用した奴隷貿易で日本人を商品化していたという。
苦しい状況での心の支えとなるべき宗教が、逆に奴隷に身をやつしたり、国内での迫害のきっかけになっていたというのは本末転倒。

信念は美しいが、愚直で盲目的である一面もある。
自分はあくまで現世を柔軟に楽しめればと思う。

さて、この作品、2時間を超える長い作品ながら見ごたえがあって濃い時間を過ごすことができる。
余韻の深いエンドクレジットも秀逸。

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