ドラマ「すいか」などの脚本で著名な脚本家、木皿泉の初の小説。
「すいか」は大好きなドラマだったのでこれを読むのが楽しみだったが、期待にたがわぬ、ちょっとおとぼけ風味ながらも人生の機微を織り込んだ味わい深い作品。

テツコとギフ2人の家族、そしてその周囲の人たちが主役の短編を積み重ね、いろいろな視点からテツコたちの生活を描き、人生について語っていて、面白い。
なんでも、初の小説ということで調子が狂ってしまったらしく、最初の短編を2004年に描き上げてから、完成するまで8年かかったというかなりの難産だったようだが、それだけ時間をかけただけのことはある、とても余韻のある作品だと思う。

2017年の最後に読んだ本がこれでよかった。
なんだか、よい年が迎えられそうだ。

ちなみに木皿泉は、病気で後遺症が残ってしまった、もともと一人の脚本家と、その奥さんによるユニットだったというのは本書のあとがきで初めて知った。

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