著者は、国際政治学の講師。
「ワシントンポスト」の独裁者ランキング2011年版から20人を選抜し、その「独裁者」の来歴と行状、彼らが統治している国の情勢などについてまとめてある。

あとがきにある通り、「独裁者」たちは一定の支持者が居てこそ成り立つものであり、それを踏まえて本書では、「独裁者」を面白おかしく糾弾するのではなく、道徳的・政治的な面での非難を排して中立的な視点で書かれている。

2011年の話なので、サウジのアブドラや北朝鮮の金正日など既に鬼籍に入っている人物や、胡錦涛のように既に国のトップから退いた人物の項もあるが、
一応西側陣営にいるサウジ王家についての事情や、
先代の主治歯科医にすぎなかった人物が統治するトルクメニスタン、
謎に包まれたアフリカ内陸国チャドの統治者など、興味深い情報が書かれていて面白かった。

欧米諸国の価値観や倫理規範から外れている統治者たちはお互い連携し、それを欧米に対する対抗勢力である中国、ロシアが支援する、という構図は不良の集まりみたいな感じでなんだかおもしろい。

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