1977年作、リチャード・アッテンボロー監督作品。
ショーン・コネリー、アンソニー・ホプキンス、ロバート・レッドフォードなど国際的豪華キャスト。
映画の予算はかなり超過してしまったようで、実際、戦闘シーンの迫力も抜群で、お金がかかってそうな大作に仕上がっている。

ノルマンディー上陸後、フランスに進撃して伸びきってしまった連合国軍補給線の問題を打開しつつ、ドイツの独仏国境防衛線を迂回するためのオランダ進撃作戦として考案された、マーケット・ガーデン作戦に関する映画。

この作戦は、運河が多いオランダの5つの橋を確保して、フランス国境から100km離れたアーンヘムまで一本道で進むという作戦で、空挺部隊の展開のあとに地上軍が進むというもの。
どこかで失敗があった場合のバックアップがないという、日本軍のレイテ海戦での作戦ににた、複雑かつ繊細な作戦。

映画でも、場面転換の際に説明なく飛ぶので、話についていくのはちと大変。

最後、空挺部隊の指揮官と上級将校の会話にて、この作戦の顛末についての責任は誰も取らないという描写があり、このへんは、よく言われる旧日本軍の体質に限った話ではないんだなと思った。

また、戦争映画では意外と出てこない気がする、戦場となった場所の住人の悲哀もちゃんと描かれており、戦争の迷惑さを実感した。

この映画では空挺部隊が活躍するが、空挺部隊というのは第二次大戦前に研究が開始され、第二次大戦で実戦投入された。
しかし、育成や作戦準備に時間がかかるわりに火力が足りず持て余し気味で、その効果は微妙。
結局、一部の用途を除いては大戦後に普及したヘリコプターによるヘリボーン作戦に取って代わられたらしい。

そのあたりは、大戦を経験した元軍人による下記のWebサイトなどに詳しい。
http://ktymtskz.my.coocan.jp/E/EU2/borne0.htm

昔は騎兵、第二次大戦当時は空挺部隊、と華々しいエリート機動部隊は常に技術や戦術の革新の波にさらされ、はかない故にロマンもあるのだろうなあと思った。
ヘリボーンも、そのうち完全に無人機に置き換えられてしまうのかな?

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