帳簿の世界史

2017年6月12日 読書
世界史の主役と帳簿の関わりについて書かれた本。
著者は南カリフォルニア大学の教授。

キリスト教世界では金儲けは地獄に堕ちる悪の所業だったが、ルネサンス期のイタリアにて、フィレンツェのイタリア商人がビジネスの現状把握と効率化のために罪悪感と戦いつつ編み出したのが複式帳簿。

その後の歴史の主役、スペインやフランス、新教国であるオランダでいかに帳簿が活用され、また廃れていったか。
不都合な情報が浮彫になってしまう帳簿は、為政者にとっては目に触れたくないものであったことの方が多かったようだ。

産業革命が始まろうとする大英帝国では、帳簿は民衆にも浸透したようで、産業の発展と帝国の繁栄に寄与したようである。

英国の流れを組む米国でも、それは同様。
帳簿を駆使した会計は、信用の創造の手段として確立された。

最後に書かれているのは、リーマンショックについて。
筆者は、監査を行う会社が、対象の会社のコンサルティングも行い、むしろそっちで儲けていたのが問題だったと指摘している。

もうちょっとテクニカルよりな内容を期待していたのと、自分が近世ヨーロッパ史にあまり明るくなく、歴史の中で帳簿が果たした役割について立体的に把握できなかったのとで、若干退屈さを感じながら気合で読破した。

とはいえ、貨幣経済に支えられた社会において、会計は信用を創造するということと、会計自体の大事さは、歴史の重みを通じて噛み締めた気にはなった。

ということで、社会人になって以来続けている家計簿は死ぬまで続けよう、
と誓ったのであった。

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