解剖学者、養老孟司の、論文以外の文章を書き始めた頃(1985-1991)の文章を集めた本。
突然書評など出てくるなど、構成はカオス。

書いた時期や発表した媒体が異なるものが5章にまとまっている。
たぶん古い順から並んでいる。

1章は形態論の話が主で、学問は論文や知識が蓄積される一方で、後の時代になるほど大変であり、これが書かれた1980年代後半の時点で既に収拾がつかなくなりつつあると書かれていたのが印象的。
文章は読みにくかった。

2章、他の霊長類にはある、感覚器としてのひげが人間に無いのは何故か、という話が主。
魚の側線に由来するひげと、鱗に由来する毛の違いについて知った。
文章は、まだ若干読みづらい。

3章、進化論に関する話。
ゴリラの鼻の個性など。
文章が読みやすくなった。

4章、トガリネズミの話。
一般的なネズミはげっ歯類だけど、トガリネズミは食虫類といって、ツパイという霊長類に近く、人類につながる動物らしい。
日本では北海道に野生しているそうだ。
この動物について、解剖学的な見地から語っている。面白かった。

5章、虫の話。
著者の研究の副産物である昆虫の収集などについて。
1章に比べて、ずいぶんと読みやすくなった。

著者の別の本を積ん読してあるんだけど、1章を読んだ際、著者の文は読みにくいので困ったなあと思ったが、時間を経て文章が読みやすく進化していたので安心した。

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