大麻解放活動家でもある舞台プロデューサーが著者。

人類と大麻のかかわりについてや、各国における法規制の歴史と現在、
産業作物でもある大麻の利用のされ方などについて知ることができる。

古来、麻というのは大麻のことであって、代替である亜麻(リネン)や黄麻(ジュート)、そして石油由来の繊維に置き換わるまでは、神事で使う縄や服、船の部品などに広く使われていたというのは初めて知ったし、北海道では野生の大麻草が大量に自生しており、わざわざそれを刈り取って燃やしているのだそうだ。

法規制に関しては、アヘン貿易を軸とした欧州の帝国主義国家から植民地の市場を奪うための政策の一環としてアヘン規制と同時期にアメリカ主導で行われ、アメリカの影響下にある国では厳罰化されているが、オランダをはじめとして欧州での大麻規制はそうでもなかったりする。
アメリカでも、医療大麻としての利用は解放されつつあるそうだ。

大麻はタバコやアルコールに比べると依存性や身体への影響も低いという説もある一方、ドラッグとして厳罰化すべきという意見には踏み石理論というのがある。

法規制というのは社会のしがらみに由来する部分も大きく、決してロジカルではないもので、大麻が危険性が低いからといって簡単に解禁されるものではないだろう。
一方で比較対象にされているタバコやアルコールに関しては同様にドラッグであり、健康被害や交通事故の原因となりうるのだから、大麻が厳罰化されているのならば、少なくとも他人が迷惑が掛からないような配慮は法律としてなされるべきだと思う。

実際、日本では酒もタバコも以前よりはルールが厳しくなっており、あるべき方向に向かっているかなと思えるところもある。
大麻については、本書で書かれているように日本の現状はロジカルでないとは思うが、こういった状況で、著者が目指す大麻解禁というのはなかなか難しい流れなのではないだろうか。

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