同じ著者の「酒の世界史」が面白かったので、
この「味の世界史」、「食の世界史」「食の日本史」をまとめて読んでみた。

それぞれ、味、世界、日本、という切り口の違いはあるが、
下記についての記述が7割を占めるので、どれか1冊読んでおけば十分だった。

・各地域における生食、加熱、発酵手法の発展
・シルクロードや大航海時代などでの各地の食材の交流
・産業革命後の保存方法の発展と流通革命

ともあれ、現代日本人が当たり前に食べているものが元々どこから来て、どのように発展してきたものであるのか、知りながら思いをはせることができた。

著者は、いかにも教師らしいというのか、食産業、冷凍流通チェーンによる食事の工業化を嘆いているけれど、
食や文化は遷ろうものであるので、それまでの経緯を踏まえつつ、一期一会を楽しみ、新しい食との出会いを積極的に楽しんでいきたいと思った。

自分が記憶している30年余りにおいても、東京での食に関する環境はかなり変わった、というか発展した印象であり、自分は幸運にもその恩恵にあずかっていると実感できる。

そういえば最近、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたけど、どの時点の和食が対象なのかと思い調べてみたら、料理そのものよりも食にまつわる文化が対象であるようだ。
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/index.html

今食べられる和食と、自分が晩年に食べる和食は別物になっている可能性があるし、和食以外に関しても同様。郷愁そこそこに、変化を積極的に楽しめる意識を持って食に接していきたい。

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