ゲルマン魂は？

ユーロ２０１２　準決勝
ドイツ×イタリア

イタリアの中盤が下がり目でスタートしたため、序盤に主導権を握ったのはドイツ。
しかし、上がってもクロスを上げるしか能がなく、ラームよりリスクが少ないボアテングをわざとオーバーラップさせてその裏を突くというイタリアの戦術がバッチリはまって、そこを使ったカッサーノのクロスをバロテッリが競り勝って先制。
これで試合が面白くなるかと思いきや、ここずっと久しく先制されてなかったらしいドイツはアタフタしてしまって、モントリーヴォが深いところから出したロングパスをラームが目測ミスして、その結果これまたバロテッリがどフリーで受けるとニアにドカーンと叩きこんで２点目。
へなぎ風だったバロテッリの決定力が、ここでまさかの確変モード突入である。

まさかのイタリア２点リードで、挙動不審気味のドイツはちぐはぐなまま何もできずに前半終了。
後半、ロイス、クローゼを投入して前線の活性化を図ると、５分ぐらいは効き目があったがイタリアが柔軟に対応。
その後も３点目を獲る気マンマンのイタリアがフォアチェックしてドイツのやる気を殺ぐと、残り２０分ぐらいから引いて守ってカウンター狙いに転換。
ここで巻き返したいドイツだったが、いつもの連動性がなく、結局相手のハンドからのPKで１点返したのみでゲルマン魂っぽい部分は特にみられずに終了。

名実ともに優勝候補で今回は行けそうな気がしたドイツだったが、２年前のブラジル同様、リードされたらそれまでの風格が見る影も無く、あっけなくグダグダに崩れてしまった。
新生ドイツ、負け試合での粘りの無さは２年前のスペイン戦と変わってない。足りないのはギリシャのようなゴキブリ根性である。若いんだし、頑張れドイツ！

というわけで、名勝負を期待していたのにドイツが残念な出来だったが、
見事に戦術でドイツを屠ったイタリアの組織力がお見事。

死のグループCの開幕カードの痛み分けの決着を決勝戦でつける、というドラマチックな解釈も可能である。
今のところ決勝ラウンドは熱い名勝負が無いので、決勝戦こそは是非！