英国王者が子供扱いかっ！

欧州CL決勝
マンチェスターU×FCバルセロナ

直線的でパワフルな英国プレミアリーグに長年君臨する王者の風格漂うマンチェスターU。
かれこれ四半世紀ファーガソンが監督で、俺がサッカー観始めてから１５年以上ずっと欧州屈指のリーグで３位以内に入っている、ある意味異常なチームである。

一方、去年のワールドカップの優勝チームであるスペイン代表スタメンのほとんどがFCバルセロナのメンバー。

当たりの強い直線的サッカー対超絶パスサッカーの対決ということで、やはり去年のワールドカップ決勝を思い出してしまうのだが、
実際、マンUは開始早々前線からの激しいプレスでバルサのパスサッカーを封じにかかって、最初の１２分ぐらいはマンUが主導権を握っていた。

しかし当然そんな激しいプレスは長くは持たないもので、若干プレスが緩んだ途端にバルサの超絶パスワークが開始。
マンUの守備は悪くないのだが、この日のバルサはパスワーク、キープ力とも超絶すぎた。
ビジャ（？）と交差して外に逃げてPA前でフリーになったペドロがシャビのナイスパスをもらうと、ファーを警戒していたファンデルサールの逆を突いてがら空きのニアに流しこんでバルサ先制。

それからはずっとバルサの時間だったのだが、マンUも孤軍奮闘するルーニーがギグスとの縦ワンツーで同点弾。
前半はマンUもなんとか意地をみせたが、
後半になると、もっと遠目からも狙って行こうぜとでも指示があったのか、サイド深くに起点を作ってからPA前のバイタルエリアからのミドルシュートを狙うという攻撃を多用しはじめたバルサがマンUを完全に圧倒。
マンU相手に、守備側のやる気を削ぐようなパスワークでボール支配率６５％以上である。
目の前のディフェンダーを巻くような軌道でGKの死角を狙う超絶ミドルが２発決まって、スコア的にも勝負あり。マンUベンチ涙目。
３点目が入って以降は、マンUも自分たちのスタイルで行くぜという姿勢が見えたが、特に形勢に影響なし。
今日のバルサは調子良すぎな気もするが、マンUですら子供扱いとは、そりゃあ優勝請負人のモウリーニョがレアルを率いてもなかなか勝てないわけである。
ワンサイドゲームなので試合の面白さとしてはイマイチだったのだが、欧州CL決勝でこの内容である。なんだか凄いものを観てしまった。

１１人が全員足元上手くて、メンバー全員による超絶パスワークが可能で、ディフェンダーもFW並の仕事をするという、まさにトータルフットボール理想型状態のバルサ。
これから進化するとしたら、前の選手もディフェンダー並の守備能力を発揮するとか、試合中に分単位でフォーメーションが変わってマーク不能状態とかそんな感じ？

そんなバルサの進化を促進するためにも、来シーズンはモウリーニョレアルのリーグ制覇を期待したいところである。