Search And Destroy

2003年5月3日
福建チャーハンを求める旅は、Webでの情報提供もありついに新橋の翠園酒家というところにたどりつくに至った。

三連休初日の新橋の町は、エドワード・ホッパーの絵画に描かれているがごとく閑散としており、初夏の日光によるコントラストがまたそれを感じさせる。

軽くにじみ出る汗を拭いつつ、我々調査員は、文字通り翡翠色に彩られた店の門をくぐる。閑散とした通りとは対照的に、店内はアジアの街の路地のごとく人でごったがえしていた。空席がないのではないかと心配した我々であったが、どうやら日本人ではないと思われる店員に案内され、店の奥にある円卓へ。
ちょうどこの時間帯は飲茶をやっており、新しい客を発見とみるやアラカルト料理のワゴンサービスが入れ替わりであわただしくやってくる。
色が鮮やかで目にとまった野菜餃子と蝦餃子を頼みつつ、本来の目的である福建チャーハンの所在を確認するために菜単(ツァイタン、単の字は怪しいが、ようするにメニューのこと)を持ってきてもらう。メニューには食欲をひかれる料理が並んでいるのだが、単価がおしなべて4000円台、とやすやすとは注文してはいけない価格帯であるため少々我慢しなくてはいけない。
というわけで、メニューに並ぶ料理の単価に驚きつつもお目当ての福建チャーハン3000円をご飯もののコーナーで発見、即注文。

おいしいウーロン茶と飲茶をつまみに歓談することしばし。
お目当ての福建チャーハンは、ついに我々の前に姿を現した。透明の器に盛られた、卵黄色のチャーハンの上に、濃い茶色の餡がかかったその料理は、紛れも無く私が先月上海の地で相まみえたものと寸分違わない。
体の奥から湧き上がる興奮を抑えつつ、小さめの茶碗によそってレンゲで口に運んでみる。蝦と家鴨の肉などが具として入っている餡とチャーハンが口の中で交じり合って奏でるハーモニーは、上海の地での思い出を甦らせるのに十分なものだった。。。
(まあ、欲を言えば、もうちょっと餡の味は薄いほうが好みなのだが。)
そんな福建チャーハンを堪能しつつ、ついに東京で本物の福建チャーハンにありつくことができた達成感の余韻を楽しんだ我々は、
日比谷にてスピルバーグの自伝的映画「キャッチミー・イフユー・キャン」を鑑賞し、
しっぽりとつつまれた夜の帳へと消えたのであった。

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「キャッチミー〜」、なんだか公開が短いし客の入りもいまいちだったのだけど、個人的にはツボのスピーディーな展開などで非常に楽しめた。
というか、あんな主人公にあこがれる。

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